アントレ2004年リユニオン -世界を変えるために、当講座OBが活動していることー

~第一回アントレ講座リユニオン~

本講座は2002年より今まで12年間続いてきました。卒業生約260人、講座関係者を含めると500人近い人々が関わってきました。本講座を卒業した先輩方は、自ら起業する者、大手企業で活躍する人、NPOを始める者等、各分野で活躍する優秀な方々が多数います。過去の受講生である先輩方に、昔熱き日々を過ごした場所へと戻ってきてもらおう、そして講座の卒業生同士で講座での経験や近況について語らい、卒業生同士の親睦を深め、また新たな関係を作ってもらおうという目的で、アントレ講座リユニオンを企画しました。

今回は講座3年目に当たる2004年度に講座を受講された方のリユニオンが行われました。当日の内容について、参加した田島(2013年度受講生)からご紹介したいと思います。

2004年度受講生ってどんな人?

本講座は東京大学工学系研究科の講義であり、理系学生を中心とした内容であったため卒業生は理系学生ばかりでした。そのため現職では理系の仕事に就いている方が多く、オリンパス研究開発職や東大で教員になっている方、また独立して獣医師向SNSサイトを立ち上げた方、科学計算ソフトの開発を行っている方がいました。その他にもグーグル、東京ガス、アクセンチュアといった会社の最前線で働く方もいます。

まずは本講座の主催者である柴田より、近年の講座の状況ついて簡単に説明を行いました。続いて、今回のメインである卒業生の近況についての講演が行われました。今回は東京大学人工物工学研究センター 准教授である原辰徳さんが講演し、続いて2004年度卒業生による座談会を行いました。

サービス学、サービスデザインで起業を目指す

東京大学人工物工学研究センター 准教授 原さんの講演

原辰徳さんは東京大学人工物工学研究センター 准教授であり、専門はサービス学、サービスデザイン、観光サービス学です。2012年には、サービス学会を発足され、起業とアカデミックな研究を結ぶ架け橋となるべく活動しています。また、JTB・首都大学東京との共同開発でCT-Planner(http://ctplanner.jp)という観光プランの作成支援サイトの運営を行っており、ゆくゆくはこのサービスでビジネス化を検討されたいといお気持ちも持っているようです。

今回は「講座が自身のキャリアにどのように影響したか」というテーマでした。原さんにとっては、

・2000年代初頭、起業を考える東大の授業は少なく、非常に貴重だった

・社会と技術との関わりを考えさせられる良い機会だった

・受講生同期に感銘を受けた。特に、努力を怠らず頑張る社会人は恰好いいと感じた

・TAの方が印象的で、起業しろというメッセージとして、“商売繁盛”と書いたバッグをもら

ったことを今でも覚えているとのことでした。

原さんが研究の道に進んで活躍していることと並行して新しいサービスのビジネス化を検討していることは、本講座が強く影響しているのだなと感じる講演内容でした。

2004年は個性派ぞろい? 受講生による座談会

このセッションでは2004年度受講生の皆さんに以下の質問をしました。

1.当時のアントレの雰囲気

2.アントレで一番学んだこと

3.今のアントレ受講生に期待すること

4.あなたが今チャレンジしようとしていることは?

1の質問に関しては、「いろんなことを経験している人が多くて、普通の大学のワークショップと違った」、「いろんな人と出会えてよかった」という声が印象的で、これは今の講座も変わらない長所だと感じました。

2については「計画を作ることの面白さ。新しい計画=新規事業を考えることがすごく楽しいと知った」、「自由に考えていいのだ」という、まさしくアントレプレナーシップの芽生えともいえる意見が出たことから、今の皆さんがあるのはこの気持ちや考え方が続いているからだと実感しました。

3については「失敗することの重要性」や「実行することの大切さ」という意見が多く聞かれました。受講生はこの2点に気づくか気づかないかで成長度合いに大きな差があると言えます。講座の教えるべきポイントとしての重要性を再認識させられました。

4については「ファイナンスなどを講座で学んだのがベースになって、投資にチャレンジしている。おかげで今は会社の給料より稼げるようになった」という声が印象的でした。

昔の講座では、会計の知識まで詳細に講義を行っており、理系学生は触れる機会がなかった知識が将来の所得に大きく影響を与えていることに驚きました。講座で学ぶことは今後の自分の将来を大きく変える一歩になるのだと感じました。

また、現在の講座関係者も東大大学院時代の卒業生と交流を持つことができ、卒業生も新鮮な気持ちに立ち返ることができたようです。この企画は今後も随時開催する予定で、興味のある方はご連絡いただければ参加可能です。よかったら講座に遊びに来てくださいね。