始動Next Innovator 第6回 最終ピッチ大会

おはようございます。

 

昨日は7月から参加している経産省のグローバル起業家育成プロジェクト「始動Next Innovator」のシリコンバレー選抜ピッチ大会でした。

 

今回はいつもの5分ピッチのあとに、審査員の先生からのツッコミがあるという形式で、私のグループは、伊佐山さんのお父様(プロフはwikipediaにお任せしますが、元通産官僚の偉いお方です)、クアルコムジャパン特別顧問の山田様、アクセンチュアのMD榎原様に審査して頂きました。にしても始動の関係者の方々は大物だらけで本当にすごい。

 

これまでは1日目に講義やワークショップがあり、2日目にピッチ大会がありましたが、 第6回目は本日のみのプログラムで、前半3時間でプレゼンをやり、結果の集計中にパネルセッションと、最後の講演としてコマツ相談役坂根正弘様の講演がありました。

 

 

まずは、ピッチの様子から。というか、自分の振り返りを少々。

結論からいうと、秒数カウント付きのストーリーメモの作成、練習(ピッチ x 50回)のおかげで、初めて5分ぴったりに伝えたいことを全て伝えて終わるピッチをすることができました。

 

決してこれまで適当にやってきたわけではないですが、ピッチは練習がすべてだということを痛感。気合の入れ方は違いました。ピッチやプレゼンは、頭で理解するのと実践するのは雲泥の差。第5回目のWSでプレゼンのことを学んだばかりなのに、ギリギリまで何一つ全然できてなかったし。

 

というのも、昨日のピッチを控え、先週水曜日に同僚の協力を得て社内(+他社の始動メンバーをご招待)でピッチ練習会をしましたが、他社の方のピッチがうますぎてビビっていました(その方は無事シリコンバレー研修に選抜されていました)。同僚からのフィードバックは的を得たものばかりで(ポストイットで40枚以上)、2日前にしてピッチ資料の作り直し。

 

急遽ワンスライド・ワンメッセージのピッチの構成に変えて(自分では情報量を落としたつもりでも、全然まったくもって足りていませんでしたのでw)、各スライドで言いたいことを口語で書き出して、何秒かかるか確認するところから始めて、ストーリーメモを作成しました。

 

書き出すことで、無駄な単語、語尾、言い回しがいかに多いことか気付かされました汗。

ばっさばっさと無駄を省いたら意外とコンパクトにできますね。

 

あとは、クリッカーをクリスマスプレゼントとして買って、テレビ画面とマックを連結してひたすら練習。練習、練習、練習、練習…。でもほんま練習すればするほどまとまってくる実感があって、なんとか今日はまともにピッチをすることができました。普段ピッチなんてする機会ないけど、クリッカーも買ったことやし、これから積極的にピッチする機会を作ろうw ってか、まじ初回からちゃんとこのノリでピッチをやっておけばよかったなー。

 

気づくのが遅い(´・ω・`)ショボーン

 

 

と、まぁ自分の振り返りはこの程度にして、前置きが長くなりましたが、坂根様の講演「ダントツの強みを磨け」のメモを少し共有させていただきます。

 

前置き

  • 役員になった時の一発目の仕事は新事業推進本部だったが、本業のブルドーザーの設計者としては、本業の中でダントツにいいものを作りたいという思いだった
  • 世界で1、2位以外のものはやらない
  • 一貫して取り組んできたこと → 結論を自分たちで考え抜ぬく

 

日本の課題について

  • 日本の課題は、「デフレ脱却」と「 地方創生と東京の国際都市化 」(2012/12/4 「日本経済再生本部」の第一回の講演。安倍総理に依頼されたとのこと)
  • 一つ目については、日本のGDPは実質でも名目でも先進国の中で低い。ものの価格が下がるから実質の乖離は小さくみえるが、名目が大事。国の予算は名目ベースで決まっている(そうなんだと思うけど、この点については、消費者感覚では実質が大事な気がするので、まだ腹落ちしていません)
  • 本業で何かをみつけないとだめ!本業が一番大事
  • 二つ目については、日本は都市化率を議論しない。この議論をせずに、東京一極集中が進んでいるが、鍵は地方再生(ちなみに、坂根さんは島根出身、コマツは石川の会社)

 

企業価値について

  • 経営者として企業価値は何かというものを徹底的に理解しないとだめ
  • HBSなどのBスクールの論文から学者の著作まで色々調べたが、自分が納得出来る企業価値の定義はなかった
  • 結局自分で考えた。定義はこれ
    • 「限られた資源を有効に使って顧客価値を創造しながら、最大限の収益を継続的にうみだすこと。そしてそれを如何にバランスよく各ステークホルダーに分配すること 」(要確認)
  • 企業価値は信頼そのもの。各ステークホルダーからの信頼の総和
  • 「信頼」は「お客様が困る度合い」で測る → これを軸にコマツがパートナーとして選ばれ続けるために必要なことを考えている
  • (経営陣から従業員までが)これを実現する原則 → コマツウェイ
    • 取締会を活性化すること
    • 全ステークホルダーとのコミュニケーションを率先垂範
    • ビジネス社会のルールを遵守すること → 「不正をするな」より「不正を隠すな」。バッドニュースをまず報告。
    • 決してリスクの処理を先送りしないこと
      • 事業の選択と集中、そして必要な減損処理を早めに
    • 常に後継者育成を考えること
      • 次の次まで自分の後継者候補尾を考えておく
  • 経営ダッシュレポートは、コンプラ、リスク等ステークホルダーへの信頼に影響与えるセクションが先で自分はまずそれを確認する。業績は最後
  • コマツが選ばれ続けるために、顧客をレベル分け → (測定は難しいけどKPIだな)
  • Lv1.コマツは付き合うに値しない~Lv7.コマツなしでビジネスが成り立たない → Lv.7のお客様を増やすことをひたすら考えている
  • お客様の中に何十年も一切お客様になっていただけない会社がある。理由を聞く機会があったが、そのお客様が困っていた時に助けずにむしろご迷惑をおかけした。その結果、一生付き合ってもらえないことになってしまった
  • 逆に、セールスではなくサポートスタッフが非常に協力的だから付き合ってくださっているお客様もいる。当たり前だが、困っているお客様を助けることが信頼につながる
  • 現場で一番大事なのは、お客様の現場、必ずしもものづくりの現場ではない
  • お客様の現場で困っている度合いをいかにして把握するか?  → コマツの場合は40万台にセンサーをつけている
  • スマートコンストラクション → 例えば、ドローンで現場状況の解析。これまでは3次元データ作成のための測量は人が1ヶ月で2,000カ所程度が限界。ドローンは1日で1,000万カ所。テクノロジーを使わない手はない。
  • 残念ながらこのドローン技術は日本ではなく、シリコンバレーの人のネットワークで実現した。エリアで異なる衛星のプログラムの解析・実装(?)

 

グローバル企業の戦略について

  • (建設業界の下請け構造に言及しながら)日本は本当にもうからない(限られた売り上げをものすごく多くの下請け会社でシェアする) → 日本国籍グローバル企業としての強みを磨き、弱みを改革 する必要がある、代を重ねる毎につよくなる企業体質つくり
  • そのために、これが必要
    • 事業の本質の把握 → 事実と変化の本質を大局的に掴み、強みをいかして対策をすぐに取る
    • 企業価値の持続的向上 → お客様の立場で強みを磨く
    • 顧客価値を創造し信頼を得る
    • コマツウェイの継続 → 信念や心構え、行動様式をDNAとしてグループ全員で共有する
  • とにかく自分たちの強みが人としての信頼性につながる
  • 頭でっかちにならずに行動する。強みを磨き続ける
  • イノベーションに終わりはない
  • 座右の銘は、知行合一

 

 

ちなみに、パネルディスカッションについては、内容公開禁止令が出たのでここでは共有できません。テーマは、グローバルベンチャーマネジメントで、WiLの松本さんファシリテートによるクアルコム山田様、元Yahoo!Japan・元Google Japan有馬様との対談でした。

 

 

というわけで、長いようで短かった5ヶ月が終わりました。この5ヶ月は暇があればずっと事業案のこと考えてたなー。Evernoteに記録した始動関連のメモは確実に100を超えていると思います。正直、いつもいつも考えるのが楽しいわけではなかったし、行き詰まることなんてしょっちゅうだし、どーしよーもないくらい自分があんぽんたんに感じることがあるけど、それでも心折れずに続けることができたのは、メンターや友人や同僚や先輩のおかげでした。人と話すことで、時には小さく、時には大きく、前進することができました。ほんと、みなさま、ありがとうございます。

 

この5ヶ月間、まじでいろんな方にお世話になったから、明日からはデモ開発は進めつつ、一旦、お礼の旅にでよっとw

(会社関係者も見ている可能性があるので、一言触れておきますが、デモ開発は業務外でやっております)

 

あ、そうそう、残念ながらシリコンバレー選抜者には選ばれませんでした。このブログ的には、これ言うの大事ね。来年のアントレ受講希望者が誤解しても困るのでね。

 

ってことで、結構長くなりましたが、国内プログラムはまだ続きますし、じぶんプロジェクトは始動したばっかりなので、まずは年度内に何かしらの形を残すべく、引き続き頑張ります!

 

ちゃお