アントレプレナーシップ論 オープンスクールテキスト

第5章 マーケティングと財務計画

 


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5.1. マーケティング -STPと4P-

(本文より一部抜粋)

講座に協力してもらった樹脂系の新素材を開発したベンチャー企業への提案を例にSTPを考える過程を見てみましょう。

水着市場での可能性の検討
ある受講生チームが、ベンチャー企業が開発している新素材を水着の素材に使うというアイディアを出してきました。次にやるべきことは、

・水着を競技用、一般用、ファション用などに分類し、それぞれ、高級、中級、安価などにレベル分けすることです。3×3=9個のサブカテゴリーに分解(セグメンテーション)するわけです。
・続いて、9個のうちのどのセグメントを狙うかを決めます(ターゲッティング)。さらに、ターゲットにしたセグメントにどれだけの市場規模があって、現在はどんな企業のどんな製品がそのセグメントを押さえているのかを調べます。
・最後に、狙いを定めたセグメントでどうやって差別化するかを考えます(ポジショニング)。

ターゲティングとポジショニングは行ったり来たりの思考過程になります。素材の特性(水との抵抗、伸縮性、コストなど)から見てどのセグメントでなら差別化できるかを考えるからです。

そして、その製品をベンチャー起業の素材がどうやって置き換えていくかを考えるのが、マーケティングの4Pにあたります。どんな特徴がある製品(Product)を、いくら(Price)で、どんな経路(Place)を使って、どんな売り方(Promotion)で市場に出すかを考えるのです。


5.2. 財務計画

(本文より一部抜粋)

会計を勉強しておくことで、会社の成績表である財務諸表を読むことができるようになります。競合企業の財務諸表を比べることで、競合企業のどこに強みがあるのかを見極めることもできます。

講座で理解してほしいことは二つです。基本となる三つの書式とそれを使った比較です。企業同士を比較するマス目としての書式とそれを使った比較分析ということです。

三つの書式は、
・損益計算書(P/Lと書かれることも多いものです。Profit and Lossを略したものです)
・貸借対照表(B/Sと書かれることも多いものです。Balance Sheetの略です)
・キャッシュフロー計算書
です。


5.3. マーケティングと財務計画をつなげる

(本文より一部抜粋)

主に競合の4Pと自社の4Pを比較することで競合に対してどれだけのシェアを取れるかを想定します。現実には名も知れぬ新参者がシェアを取ることは簡単なことではありません。まずは、競合と同じだけの信用(ブランド)や供給体制を確立できたと仮定して考えてみます。


5.4. 財務計画を表(計算式付き)に表現する

(本文より一部抜粋)

3年目のうちに黒字、5年目に累積損失が解消されるシナリオを見つけます。これが基本シナリオになります。それよりかなり良い状態を楽観シナリオ、悪い状態を悲観シナリオとします。
(中略)
将来は見えないものでしょうか。マーケティングをすることで将来が見えてきます。見えてきた将来をお金で表すと財務計画になります。