Robo-advice vs. No advice

おはようございます。TA竹内です。

久しぶりにFintechネタです。前回少しご紹介したロボアドバイザー(資産運用)についてです。というのも、CFA(米国証券アナリスト)が会員向けに発行している雑誌にBettermentのCEOのインタビュー記事があり、次の一言に触発されたからです。

Often, Betterment’s advice is compared with traditional advisers – but I’m not sure that’s right comparison to make. It’s not really robo-advice versus human advice.

巷では、ロボアドバイザー対人間アドバイザーが二項対立の構図で捉えられるけど、それは違うんじゃないかって語っていました。実際に、彼らは人間アドバイザー(要はファイナンシャルプランナーやプライベートバンカー)に対して技術を提供し、人間アドバイザーがロボのアドバイスを活用して最終的な顧客に様々なアドバイスを提供している事例も多いそうです。

私見ですが、ロボアドイバザーが提供している価値は大きく3つあって、一つは資産管理の効率化(っていうか税効果の最適化)。ユーザが自分のお金を管理する時に考えなければならないことは多岐に渡ります。資産状況、将来キャッシュフロー、日々の資金繰り、401k、(やっている人は)有価証券の売買、税金状況など、どれも面倒くさそうなものばかりです。「面倒くさいから」という理由でこれまでは資産を増やす機会を逸していた人も多いと思いますが、ロボアドバイザーはこのあたりの管理を一手に引き受けてくれます。

もう一つは投資対象の選定。ユーザの目標に応じた最も実現確率が高い投資対象の組み合わせを決定することで、こっちは各社が独自性を発揮できる価値ですね。如何に優秀な投資チームを持つかが競争要因になっているので、ロバアドバイザーにはウォール街で活躍したクオンツや最先端の理論に精通した著名研究者が勢ぞろいです。例えば、Wealthmentでは「ウォール街のランダム・ウォーカー」を書いたバートン・マルキールがCIOを務めています。独自の投資理論に基づいて、ETF(投資信託の株式版で信託報酬や取引コストが低い)など低コストの商品を組み合わせユーザのリスクアペタイトに応じたポートフォリオを組成しているようです。

で、最後が目標設定。プロセス的には一番最初に来ますね。ユーザが抱える本当の課題は、どういう理由でいつまでにどの程度の資産を形成する必要があるかってことが適切に決められないってことだと思います。ロボアドバイザーは独自の質問を通して、ユーザ自身が明確にできていない目標設定を支援しているように思います。ここは行動心理学や機械学習が大いに力を発揮しそうな領域である一方、依然として人間アドバイザーによるきめ細かなフォローが必要な領域でもあると思います。ユーザが認識していないニーズ(従って、ロボアドバイザーに入力できないデータ)を汲み出す必要があるからです。

だから、Bettermentは人間アドバイザーに対して彼らのサービスを提供してるんだと思います。ロボアドバイザー+人間アドバイザーでユーザの資産拡大に貢献することを目的としているから、「ロボアドバイザー対人間アドバイザー」ではなく「ロボアドバイザー+人間アドバイザー対ノーアドバイザー+人間アドバイザー」ってことですね。AIを人間の能力拡大に使おうっていう発想はここにもあるわけです。

ちなみに、意外なことにロボアドバイザーの主なユーザって一般的にはミレニアルズと呼ばれる1980年〜2000年までに生まれた世代かと思っていましたが、実際は50歳以上のユーザが全体の30%以上を占め、逆にミレニアルズは30%を下回るそうです。やっぱある程度歳とった人の方が将来の資産形成目標が設定しやすいからかな。

ではでは。

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