始動Next Innovator 第2回目WS

おはようございます。TA竹内です。

早くも前回のWSから一ヶ月が経ちました。土日は虎ノ門ヒルズ・東大で講義・WS・プレゼンがありました(正確にはプレゼンのカジュアル版なのでこのプロジェクトではピッチと呼ばれています)。

この一ヶ月は結構バタバタしていて、9/1付け経営企画部に異動することになって(今の部署を兼任)、先週は急遽NYに出張することになって、今週は報告書書いたり担当しているプロジェクトを回したり、で、かなり始動の準備はテンパったまま週末を迎えました。

これでもあべけん先生よりは全然働いていないと思いますが、普段はここまで連続した日数働いていない自分としては、いい経験ができたのではないかと思います(カフェインとマカと奥さんと義理のお母さんの手料理で乗り切ることができました)。

と、いう前置きはこの辺までにして、この2日間のイベントを振り返りたいと思います。

1日目のプログラムは、「ベンチャーキャピタリストの目線」というテーマで、2本の講演がありました。
  • 日本VC協会会長 仮屋園聡一先生「知の振幅ワークショップ」
  • DBJキャピタル 山口泰久先生「事業化を促進するためのBMC・VPCの使い方」

「知の振幅ワークショップ」
 
仮屋園先生の講演では、資金調達前・中・後の3つのフェーズに合わせて、ビジネスプラン・ファイナンス・インベスターリレーションについてお話を頂きました。先生の講演からのtake away(私に刺さったキーワード)はこんな感じです。
  • Nice to haveではなくてMust haveをつくること←Must haveでないとSwitching costが低くなり競合他社の参入を許してしまう
  • 顕在化市場よりも潜在的な市場の方が勝る←まだない市場を開拓するより既にある市場に切り込む方が良いこともある
  • 三歩先よりも一歩先を狙う←目指す未来が遠すぎるとVCは投資できない(※VCの性質にもよるとの補足あり。エンジェル投資家などは遠くても出してくれることはある)
  • Switching costが高いものを作ろう←使い慣れたもので、わざわざかえるほどではないと思わせる特徴がプロダクトやサービスに含まれていると顧客をロックインできる
  • 例えば、会計のSAAS(クラウド会計のFreeとかかな)は中小企業向けにサービスの提供を進めているが、既に弥生や勘定奉行を長年使い込んでいる層に切り込むのは苦労しているはずとのこと→顧客にペインがあってそれを解消したからってすぐ売れるわけではなく、慣れたものがやめられない(まさにswitching costが高い)ことを理解しなあかんし、そういう慣れたらやめられないものを目指せって話
  • 誰がなんでお金を払うかインセンティブを設計せよ
  • VCとして顧客のペインを判断する際にやることは、徹底的な市場調査と顧客ヒアリング→VCでもやってるんだから、事業開発をする方はその10倍はやれって話と理解しました

他にもチームビルディング、VCとの付き合い方などなど興味深いお話を聞くことができました。


「事業化を促進するためのBMC・VPCの使い方」

見た目は怖面だけど、独特のオーラを出していらっしゃる面白い先生でした。始動用にキャラ設定しているって感じではないので、素だったと思いますが、機会があればもっとお話を聞いてみたいと思いました。ちなみに、山口先生の講義は前半が講演で、後半がグループワークでした。先生の講演からのtake awayはこんな感じです。

・・・

って思ってメモを見返してみましたが、先生の話が自由かつ面白く、メモがあまり整理されていなかったので、何をやったかだけ備忘録として残しておこうと思います。

  • Business Model Canvas(BMC)とValue Proposition Canvas(VPC)紹介と実践(BMCの説明は前回の投稿をご覧ください)
  • VPCは価値提案と顧客がマッチしている確認するフレームワーク。BMCのうち、一番中心にある価値提案(Value Proposition)と右端にあるCustomerの関係が整合的か検証するプロセス
  • 先生の言葉を借りると、VPCとは顧客の「痛みの取り除き(pain)」、顧客に「幸せをいっぱい提供する(gain)」価値が何か考えるプロセスである
  • 後半は九州工業大学の技術「”竹”由来素材」を例にBMCを考えるグループワークを実施しました→うちのグループは、課題の本命だった竹バイオマスを活用したプラスチックを生かしたビジネスモデル、ではなくて、その生産過程で発生する竹酢液を生かしたビジネスモデル、をディスカッションしてしまいました
  • ってのも竹酢液は副産物なんで原価タダやし、竹酢液には害獣駆除の忌避機能があるらしいので、これ使えば農家やゴルフ場からイノシシとか駆除できるし儲かるんちゃうんって発想ですね→その後、全く予想していなかった先生からのご指名で発表しましたが、本命でないテーマにしたからダメだしでもされるのかなーと思ったら、実際にはこれが原材料がタダで売れてるから美味しいビジネスで、正攻法でやりましたねとのフィードバックをいただきました
  • ちなみに、急に当てられたので説明の前半はたいがいテンパりましたが、柴田さんから学んだ会場をゆっくり見回す、とか、聞いている人の反応を見るってのを少し意識して落ち着きを取り戻しました→ 会場も広いし普段100人以上を相手に話す機会なんてそうそうないんで、こういう些細なことでも私にとっては相当な訓練になっています
  • 他の班の発表に対するフィードバックはこんな感じでした
    • ブランドはKey Resourceでブランディング活動はKey Activity
    • 商社に商材を売る場合は最終顧客やSCMを考えた方がいい
    • 竹の調達をどこからするかって考えるときに竹林業者ではなく筍業者で竹を(お金を払って)廃棄物処理しているところをあげたら尚良し

お話としては技術Due Diligenceの実際(知財分析とか)も結構面白かったです。知財分析のデモちっくなものがあったのが効いていたように思います。

2日目は、メンタリングとピッチと始動カフェで「大学発ベンチャーのほんとのところ」的なものを東大出身のベンチャー起業の方からお話を頂きました。

メンタリングやピッチも示唆のあるアドバイスを頂いたり他の方の提案を聞いたりして学ぶことが多かったですが、最後に参加した始動カフェがめちゃくちゃ面白かったです(正直、予想以上に面白かったのですが、やっぱエッジが効いたご登壇者だったからなんでしょうね)。始動カフェでは、東大発ベンチャー(注)の経営者3名から事業内容や事業設立の背景などをお話いただきました。

1社目は着られるセンサー/伸びるエレクトロニクス(染谷研の生体調和エレクトロニクスPJ発)のゼノマさん

まずはHPを見てください。この動画をみるだけでなんかワクワクします。
あと、網盛社長のトークの切れ味が鋭すぎてかなり引き込まれました(他のお二方も相当)。
例えばこんな感じです。
  • 日本は大学でも企業でも至る所に相当質の高い技術がある。企業の設備も国内に十分残っているから(海外に生産現場を移していても)、企業にお願いすれば設備投資なしで「ものづくり」ができる。そういう環境が整っているのは日本だけだから、もっとアントレしたらいーやん。Japan Entrepreneuship 2.0っておっしゃてました。
  • 狙っている市場は海外。日本人のIFと外国人のIFの感覚は全然違う。なら始めっから海外で勝負すりゃいーやん。で、実際に海外でしか展示会に参加しないそうです。HPも完全に英語やしね。徹底してます。
2社目はストレージを真にインフラにするizumoBASEさん
名前だけ聞くとハードウェア屋さんに聞こえますが、software defined storageを開発しているソフトウェアの会社です。

汎用筐体、汎用OS、汎用CPU(主にインテル)を活用してデータストレージをソフトウェアとして開発しているそうです。

社長の荒川さんの話で特に面白かったのはここ。

  • ベンチャーがハード、ソフトウェアをやる場合、リソースの制約から保守パートナー、販売パートナーが必要
  • 販売パートナーとの関係では、必ずしも安くて良い物が売れるとは限られない→例えば、販売パートナーとしての商社からすれば、(そっちで十分儲かるなら)高くて低品質でも買ってくれる人がいればそれを売ることがある
  • ものの価値はみる立場によって異なる→ベンダ依存の非汎用機(例えば、サン(いまはオラクル)のストレージにソラリスのOSにどこぞのCPU)からすると汎用筐体・汎用OS・汎用CPUのストレージはデグレに見えますが、汎用側からするとsoftware defined storageは高付加価値のストレージにみえる→だから、売るパートナーは付加価値を見出してくれる方にした方がいいよねって話ですね
  • 立場で見方が変わるって話は、金融でいうところのスマートβ(ベンチマーク投資よりちょっと賢い投資)とダムα(アクティブ投資よりはちょっとばか)と同じですね。呼び方は違うけど、やってることは一緒。メディア戦略的には、ちょっと賢いベンチマーク投資って言った方が売れるよねー

3社目は、ライフサイエンス領域の画像解析ソフトウェアの販売会社LPixelさん

社長の島原さんは始動の一期生で去年シリコンバレー研修にも参加されたそうです。
  • 二期生である私たちへのメッセージは、「業界を破壊するようなinnovationを起こせ」
  • ベンチャーでも大企業でもどこでも結局何か成し遂げる人、そのために周りを巻き込む人ってのは、最後は一人でやる(大企業の担当者がLPixelさんとの案件を2週間でまとめられたそうです)→これは自分がいま担当しているプロジェクトでも感じてますし、アントレでも色んな講師・TAの方が言っている「徹底して当事者意識を持て」ってことですね。

ふぅ。

この二日もてんこ盛りすぎて長くなってしまいました・・・

・・・

始動同期の皆様の事業案をみてても、やっぱり技術を持っている事業は強いなーと感じますね(オリゴジェンさん(脊髄損傷などの神経疾患向け再生医療を実現する細胞医薬品)、アロマジョインさん、レバトロンさん…)。日米で特許取得した医療技術とか、大手企業に対抗できる特許とか、ゴリゴリのハードウェアとかとか。

自分のはふわふわしたサービスだからこそ、サービスの仕掛けとなる洞察や視点の鋭さが問われるだろうし、そのためには徹底したお客様へのヒアリングや投資・消費活動の観察が必要だねー

  • 「貯蓄から投資へ」って言ってるけど、実は「消費から投資へ」と方が資金が移転しやすいとか
  • お客様が手数料で証券会社を選ぶのは証券会社がそれ以外の付加価値を提案できていないからとか
  • 基本楽だし長期的なパフォーマンスが安定しているからインデックス投資でいいけど、割安株はとりにいきたい人がいるとか(ロボアドバイザーではいまんとこケアできていない領域のはず)

次は2週間後に福岡なのであまり時間がないですが、いまの路線でサービスのイメージを具体化しつつ、引き続き自分のサービスのパートナーになりうる人や団体へのヒアリングをしようと思います。(ちなみに先週は、日本個人投資家協会さんにお邪魔してお話を伺ってきましたが、なんと私の活動に共感して下さり全面的に協力しますよとのお言葉を頂くことができました。どのような形で協力して頂けるかまだ考えていないのですが、いきなり現れた小僧を応援してくれるなんて有難い話なので、ちゃんと考えようと思います。)

と、いうわけで、多分ここまで読んでいる人はいないと思いますが、読んでくださった皆様、ご高覧頂きどうも有難うございました!

ではでは。

(注)東大はこういうのを認定する仕組みはなくてこれはメディアや周りの人が勝手にそう呼んでいるだけだそうです。

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