マイケル先生の「イシューから始めよ」講座ってぶっちゃけ何を伝えていたか

TA竹内です。

先日、マイケル先生による「イシューから始めよ」講座がありました。

あまりにも目からウロコだったので、すぐに自分の周りにいる人達と共有したいと思いつつ、忙しさを理由にアウトプットするのを怠っておりました。

アドラー先生に言わせれば、「そりゃー、単に書きたくないからだ。理由に意味はない。」と言われそうですが、そんなことは全くなくて、あ、でも、感動を文字に落とし込んで伝えきる自信がなかったのかもしれないので、そーゆー意味では「書きたくない」というよりは「書けない」と思っていたのかもしれません。

それはさておき、そーはいってもこの感動が劣化しないうちに伝えることが授業に参加した自分の責任だと思うので思ったことをつらつら書きたいと思います。

まず、「イシューから始めよ」ですが、これは講座の課題図書のタイトルです。

誰が書いた本かはググればすぐにわかるのでここでは説明しませんが、「問題解決とは何か」、「どういうアプローチで取り組むべきか」を語った最近の本の中では抜群にわかりやすく、参考になる本です。もちろん、深い理解に到達するには読み手の努力も必要です。1回読んだら分かるわけではなく、「読む→考える→自分が直面している課題などに適用する→考える→また読む」って作業を繰り返す必要はあります。

個人的には学生時代にひょんなことから大前研一さんの「企業参謀」や照屋華子さんの「ロジカルシンキング」を初めて読んだ時並みにワクワクしたかな。これまでモヤモヤしていた頭がどんどん整理されていく感じです。

前置きが長くなりましたが、マイケル先生の授業は、第一企業課題(Liquid社)の中間報告会に先立って、中々アウトプットが出ない受講生を鼓舞するもの、そして、「イシューとは何か」を考えるきっかけと与えてくれるものでした。

マイケル先生は米系コンサルで新卒から3年間働いていたのですが、その期間におそらく15,000時間くらい顧客が抱える課題を解決する仕事に従事して学んだのがこれだそーです。

「イシューから始めよ」 (仮説から始めるなよ)

では、早速講座のハイライトを簡単に振り返ろうと思います。

1.四の五の言わずにやれ

マイケル・ザッカーバーグ先生は言いました。

「Done is better than nothing」

つまり

「四の五の言わずにやれ」

「考える」(と思っている)ばかりではなく、行動して成果を出さないと意味がないということです。

あらゆる可能性を考え抜いて、自分を納得させてから、100%質を目指したとしても、アウトプットがないと意味がありません。もちろん考え抜くことは大事です。が、成果物がないと先に進むことができません。逆に、作業を進めることでそれまでは見えていなかった論点が明らかになり、課題に対する理解が深まり、アイディアが湧いてきます。周りを巻き込むことができるようになるかもしれません。作業を進めることができます。

また、「考える」というのは「整理する」という作業でもあります。「整理する」とは「分類し、並べ替え、評価する」ことです。「作業」とは「肉体あるいは精神を通してある具体的な結果を出すこと」です(デジタル大辞泉)。結局、「考える」ということは、問題を「分類し、並べ替え、評価する」ことを通して「具体的な成果を生み出すこと」そのものであり、必ずアウトプットが伴います。アウトプットが伴わない思考は、考えていないに等しいと思います。

日本流にいうと、「やってみなはれ。やらなわからしまへんで」(鳥居信治郎、サントリー創業者)っちゅーことですね。

2.質問は三つまで

マイケル先生は言いました。

「イシューに関する質問はなーんでも答えてあげよう。ただし、質問は全員で3つだけ。5分あげるから考えてちょ。」

この質問の仕方、極めてマイケル先生っぽいです。期待値をあげつつ、それを得るためには受講生の創意工夫が必要っての。「ちゃんと考えんといい話が聞けへん」、「しっかり考えないと損する」、と思わせるのが上手いです。たった2、3の文章っていうか言葉で、受講生が積極的に考える機会を作っています。こーいうのはTAとして見習いたいとところです。

ところで、複数のチームに分かれてグループワークをしましたが、色々な意見が出ていました。
最終的に選ばれた3つの質問は、(ちょっとうろ覚えですが)こんな感じです。

「イシューの定義は何か?」
「イシューはどうやって見つけるのか?」
「イシューの具体例をあげて欲しい」

これについて大先生が回答してくれましたが、どんな発言をしていたかは正確に覚えていないので、講義ビデオを再度見てからそのうち更新しようと思います。
(→その後、マイケルたんとメールでチャットして、まぁここの発言自体に深いインサイトがあるわけではないからわざわざ再現しなくてもいっかということになりました。なので、更新しませんw)

グループワークでは、そもそも質問をどう設計するべきかという議論をしていたチームがありました。
そこでの議論は、以下のようなステップで質問を考えればいいんでないか?って感じです。

「何が知りたいか?理解したいか?」
「それを知る、理解するために何が必要か?」
「どんな回答があればそれが達成できるか?」
「そのための質問はどうあるべきか?」

最終的に選んだ3つの質問で本当に受講生がイシューとは何かを理解して、自分達の力で見つけられるようになるかは微妙ですが、少なくとも、上記ステップで質問を設計するのは筋が良いのでないかと思います。知りたい・理解したい内容を構造化して、どの部分が自分達にとってクリティカルな穴か特定して、その穴を埋めるための質問を考える。その時に、どんな回答があればよいか(穴の形をちゃんと把握する)を考えている点、すなわち、質問と回答をセットで考えているあたりが、「イシュー(論点、問い)→仮説(主張、仮の答え)→調査・分析」という問題解決の枠組みに通じるところがあり、筋が良いと思ったわけです。

受講生にここまで実践させることを想定して、グループワークをやってもらっていたわけですね。

マイケル先生、おそるべし。

ちなみにここでは「知る」と「理解する」を区別せずに並列していますが、そこには大きな違いがあります。
マイケル先生に対する質問から「イシューとは何か」を「知る」ことはできても、「理解する」のは難しいということです。
ぜひ、安宅和人さんの下記エントリーをご参照下さい。←手抜いた笑
http://d.hatena.ne.jp/kaz_ataka/20130426/1366986966

3.イシューとは何か

マイケル先生は言いました。

で、始めたいところですが、こういう言い方をしていたかはうろ覚えなので、単なる私の勝手な理解かもしれませんが、イシューとは一言で言うとこんな感じです。

「答えることに意味がある論点・問い」

「答えることに意味がある」というのは、「答えることでインパクトのある意思決定ができる」ということです。

例えば、

システム開発プロジェクトで「業界のベストプラクティスを目指すべきか?」という問いに対して、目指す/目指さないを判断することで投資規模が100億円になるか30億円になるかが決まる。
(逆にどちらを選んでも投資規模が変わらなければ意味なし)

新商品開発プロジェクトで「どの顧客層に対して新規に投信を設定すべきか?」という問いに対して、特定の顧客層が収益構造の大半を占めていて、かつ、顧客層によって売れ筋商品が大きく変わる。
(逆にどの顧客層も同じような収益貢献度であったり、または、顧客層によって売れ筋商品に差異がなかったら意味なし)

不動産投資案件で「どのトランシェ(シニア債、メザニン債、劣後債、エクイティ等)に投資をすべきか?」という問いに対して、どこのクラスを選択するかでリスクリターンが大きく変わる。
(リスクリターンは商品性に依存するため所与の条件。この場合、商品の選択が投資家のリスク選好や財務状況に依存するなら意味あり、依存しないなら意味なし)

あえて自分の身の回りのネタで事例をひねり出してみました。
(これ自体、結構いい脳トレになりました。個人的な備忘録ですが、次は検証可能性をテーマに脳トレしようと思います。)

要は、イシューってのは、ロジックツリーをつくってから枝葉末節を切り落として最後に残った枝(要素)といったところですかね。

ま、「イシューとは何か」を理解したければ、まずは「イシューから始めよ」を読むか、マイケル先生に質問することを通して、イシューを「知る」。んで、あとは実践を積むことですね。身近な事例に適用して、あーでもない、こーでもないと考え続ける。自問自答する。躓いたら、どこで、なぜ躓いたのか言語化して、誰かに説明してみる。別にイシューに限らず、何かを「理解する」ためには、地味だけど、これを繰り返すしか道はないと思います。

ということで、マイケル先生の感動講義がどんなだっか、どんなことが学べそうか、少しでも雰囲気が伝わればと思います。
あと、常体と敬体が入り混じっているのは、私のコラムスタイルなのでお気になさらないで下さいねん。

おしまい。

追記ですが、「2.質問は三つまで」でのマイケルたんとのチャットでは、この設問には「答えられるレベル」「答えるに足りる」「3つの質問」という3つのイシューがあったんだよねというアドバイスをもらいました。それを踏まえて振り返ってみると、最後のイシューを意識している受講生はいた一方で、前者二つを意識している人はいなかったように思います。無意識に考慮していたのだろうけど。

で、思ったのが、当たり前のように思えることにどこまで自覚的であるか、言い換えると、常識(っぽいこと)に疑問を持てるかが「イシューから始める」ためのキーなんだろうね。

さらに追記ですが、同じMLチャットの中であべ犬先生の感想も共有して頂きました。「答えられるレベルで、答えるに足りる」ことに耳を傾けることが大事というのは、「それが世界を広げることにつなげるから」と感じたそうです。

「でも、そもそもなぜそのような行動ができるんだろうか?それは何かをしたいという意思・ミッションを持っているからなのではないか?というのがこのときの授業を聞いていた中で感じたことです。」

目的意識があるだけで、人生変わるっちゅーことだと理解しました。

初めてTAとして参加していますが、この講座は本当に互学互習を実践していますね。
9年前に受講生だった時には全く気付いていなかったよ。つらたん。

ほんとにおしまい。

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