ヒューリスティック3.11

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みなさまお久しぶりです、TA4年目の高澤です。
東日本大震災から今日で4年が経ちました。それは僕がこの講座に関わった年数と同じです。
その年は被災地へボランティアに出かけたのですが、その時に一緒に出かけた学生がいました。

彼はアタマの切れる学生で、将来は外資系のコンサルティング会社に就職するつもりとのことでした。
でも社会貢献にも興味があり、今回のボランティアに参加したそうです。彼は学生団体にも興味があるらしく、震災にとどまらずさまざまなボランティア活動に参加していました。

その時に誰かが彼についてこう言ったことを覚えています。

「彼はコンサル会社に就職しているより、コンサル会社に就職しながらいろんなボランティア活動を精力的に続けている可能性のほうが高そうだね」

僕はその時、深く考えずに「うん、そうかも」って思ってしまいましたが、後から間違いであることに気がつきました。
確率からすれば前者のほうが必ず可能性が高いはずです。

・コンサル会社に就職している(単一事象)
・コンサル会社に就職しながらいろんなボランティア活動を精力的に続けている(連言事象)

この場合の確率Pは、P(コンサル就職&ボランティア)< P(コンサル就職)であることは間違いないことですよね。
これはヒューリスティックによるバイアスの代表的な例だそうですが、こういうことは日常でもよくあります。

一番やっかいなのは「自分にはバイアスがない」と思い込むバイアスです。
うちの講座でもまず受講生に対して、自分がいかに偏った考え方をしているのか自己認識してもらいます。

最後に、震災についてひとことだけ。
伊集院静は被災した夜に自宅の庭から見た夜空は生涯で最も美しい星空だったと語っていました。

そして震災当日はものすごい数の行方不明になった人たちが、瓦礫をつかんで浮かんでいたりして生きていたそうです。
そういう状況で彼らが人生の最期に見ることができたのがあの星空だったとしたら、それが美しくないはずがないと。

改めて、東日本大震災で亡くなった方たちのご冥福をお祈りします。
今年こそは4年ぶりに被災地を訪れることができるといいのだけど。