Fintech

たまには自分が身を置いてる業界のネタを1つ。金融業界で話題になっているFintechです。私がロンドンに駐在していた頃(2010年〜2013年)には既に現地では話題になっていたので、日本は2、3年遅れてる感じかな。

Fintechとは、FinanceとTechnologyの造語で、元々は90年代に自然発生した金融機関のIT部門を意味する単語です。去年の第1企業課題を提供して下さったLiquid社は、生体認証技術を利用した決済サービスを提供しているFintechスタートアップの1つでした。

さて、90年代のFintechをFintech1.0とすると、いま流行ってるのはFintech2.0ってとこだと思います。

Fintech1.0の時はホストコンピュータ→オープンシステムコンピュータという構造変化、いまはオンプレミスコンピューティング→クラウドコンピューティングという構造変化があり、どちらも背景には技術革新による構造変化があります。が、業界人に言わせると、Fintech2.0のそれは以前とは比較にならないくらいインパクトが大きいそうです。

確かに、最近話題になっているFintechスタートアップが提供しているサービスをみると、収益性はともかく、ユーザー数はこれまでとは不連続に拡大するポテンシャルがあるように思います。

そんなFintech2.0ですが、金融業界の中でも大きく以下のような分野でビジネスモデルや技術が開発されています。

– 貸付
– PFM*・会計サービス
– 資産運用
– 決済
– 銀行インフラ
– 要素技術
*Personal Financial Management
(マネーフォワード「Fintechの現状」参照)

最近は赤い銀行を筆頭にメガバンクもFintechスタートアップとの業務提携やカンファレンスの開催を通してどんどんこの分野へのフットプリントを拡大しています。

分野にもよりますが、Fintechへの取り組みはコモディティ化することが明らかなものも多く(ロボアドバイザー、会計アプリなど)、やったからといって競争優位性を構築できるとは思いませんが、やらない場合には競争劣後に陥ると思います。多分突き詰めると、Fintechとは、金融機関やサービスプロバイダにとっては技術の課題ではなく、競合他社とのしのぎの削りあい、経営戦略の課題になるんだと思います。だからこそ、少しでも他社よりも有利な立場に立つために、メガバンクは巨体の割にフットワーク軽く動いているんでしょうね。

ってことで、私も人に語れるほどFintechに詳しいわけではないのですが、せっかくの機会なので、これから何回かに分けてFintechネタを投稿する予定です。

ではでは。