Fintech その4

ロボアドバイザーの2大スタートアップ(WealthfrontBetterment)が収益的に苦戦しているということで、公開情報を使ってコスト構造を分析しようと思いましたが、Google先生に相談しても全然情報が出てきませんでした。金融系のちょっとマニアックなサイトや個人のブログでもヒットせず。

諦めて、WILの資料で少し紹介されていた英The Economist誌の記事から情報を取ってきました。ってのも、The Economistは2010年から英語の勉強と海外のビジネスマンとちょっとした雑談をできるような教養を身につけるために定期購読している雑誌だったからです。

ってことで、早速ロボアドバイザーに関する記事を一部抜粋するとこんな感じの記載がありました。

But being very cheap means Betterment and Wealthfront need lots of assets to turn a profit. Their AUM of roughly $2.9 billion each, accumulated largely in the past two years, delivers revenues of $7m or so a year. That is not enough to sustain around 100 staff each as well as hefty marketing budgets. Total costs are likely to be $40m-50m a year, according to one fintech grandee (neither firm discloses the data).

Scale is vital, as every new client brings fresh revenue at little extra cost. AUM in the tens of billions of dollars, if not hundreds, will be needed to break even. The two firms’ venture-capital backers, which have poured over $100m into each, expect initial losses. But even they will hope for profits in years, not decades.

The Economist – Does not compute; Oct 31st 2015

運用報酬(ロボアドバイザー手数料)を0.25%/年と仮定して、運用資産が$2.9bnの場合、売上が約$7.3mn/年。100人近くのスタッフを抱えて、マーケティングにかかるコストがバカにならないことを考慮すると$40mn〜$50mnくらいなので、その結果、年間数十億円の損失が発生しているだろうって見立てのようです。

ロボアドバイザービジネスは、知識集約型ビジネスなので、資本や労働力はそんなに必要ないはずです。ある程度インフラを構築してしまえば、運用資産の導入額が増えれば増えるほど、最低限のコスト増で売上が増えるため、利益がどんどん積み上がります。要は、限界利益率が高いビジネスモデルのはずってことです。

記事によると損益分岐点を超えるには、数百億ドル(数兆円)の運用資産が必要とのことですが、日銀のレポートから数字を拾うとアメリカの家計68.9兆ドルに占める現金以外の資産の割合が約86%であることから(約6720兆円)、固定化された資産があることを考慮しても数百兆円〜千兆円+は導入可能な資産がありそうなので、まー狙えなくもないような気もします。

実際、上記2社にそれぞれ$100mn以上投資を実行しているVCは、当初は損失が発生することは織り込み済みで、(10年を超えない)数年以内に利益が出ることを期待しているそうです。

ところで、アントレの本講座では、現役コンサルタントやGoogleのエンジニア等バックグラウンドの多様TA陣から効果的な情報収集術や整理術を教えてもらうことができます。本講座で課題をやるとき、卒論や修論を書くとき、会社で仕事を進めるとき、様々な状況で「情報を取る」という作業は必要不可欠です。情報を検索する際に、「あー、自分なんか要領悪いわー」と思ったことがあるならば、ぜひ、アントレにお越し頂いて、TA達の技を盗んでいって頂ければと思います。

ではでは。

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